スレート屋根材の特徴やメリットについて
「そろそろ屋根材を変えようかな…でもどんな屋根材があるのかわからない!」というお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方には天然スレートなどのスレート屋根材がおすすめです。天然スレートとは、粘板岩などの天然の石を使ったスレート屋根材のことです。
今回のコラムでは天然スレートの特徴や人工スレートとの違いなどについてご紹介致します。このコラムが最適な屋根材の選択に役立てれば幸いです。
天然スレートは何でできている?
天然スレートは、粘板岩(ねんばんがん)や頁岩(けつがん)という天然の石を加工してできたものです。天然の石を使っているため、スレート屋根の種類の中でも一番の高級品とされています。石そのものの色合いや風合いを生かして、高級感や重厚感を出すことができるのが特徴です。また、塗料を使わないので屋根の塗り変えの必要がなく、維持費がかかりません。
日本の住宅ではめったに使われることがないので、希少価値が高い屋根材といえます。
人工スレートとの違い
スレートには天然のものと人工のものの2種類が存在します。現在は「スレートといえば人工のもの」というイメージが一般的となっているようです。人工スレートは、強度を高めるために繊維などが混ぜ込まれたセメントを使用したスレートのことを指します。混ぜるものによってはそれぞれ特徴があります。
さまざまな人工スレート屋根
・無石綿スレート
パルプやビニロンとセメントを混ぜて作ったものです。現在はこのスレート素材が一般的に使われています。
・石綿スレート
石綿とセメントを混ぜて作ったスレートです。アスベストが社会問題になったことにより、現在では使用が禁止となっています。
・セメントスレート
無石綿スレートのセメントの割合が多いバージョンです。セメントの割合が多いため、耐久性に優れているのが特徴です。
人工スレートは天然スレートと比べると、価格が安いです。工事も簡単なため、施工費を安く抑えることができます。また、天然スレートは天然の石を使っているため重量がありますが、人工スレートはとても軽くなっています。屋根が軽いと地震の揺れに強くなるので、人工スレートの屋根は耐震性が高いといえます。
加工がしやすい人工スレートはカラーやデザインが豊富にあるので、自由に選ぶことができるのも天然スレートとは異なるポイントです。しかし、天然スレートは塗装剤を使っていないため維持費がかかりませんが、人工スレートは塗装剤を使用しているため塗りなおしなどの定期的なメンテナンス費が必要となります。
スレート屋根には形状がある
天然スレートなどのスレート屋根には、大きく分けて2つの形状があります。
・平形
名前の通りまっすぐ平らな形をしています。ぴったりと密着して並べられているので見栄えが良く、主に住宅に使われていることが多いです。すき間から雨が侵入することがあるので、定期的なメンテナンスは欠かせません。
・波形
波のような形をしたスレート屋根です。面積が大きい工場や倉庫の屋根で使われていることが多く、見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。屋根のつなぎ目や重ねる部分がどうしても目立ってしまうため、一般住宅の屋根で使われることは少なくなっています。
大波スレートや小波スレートなど種類もカラーも豊富なため、屋根以外にもお店の外装や塀に使用されることがあります。
天然スレートのデメリット
天然スレートは、天然の粘板岩を使用しているうえ、加工にも技術が必要で、生産量が少なく高価になりがちです。天然スレートはとても割れやすく、施工に高度な技術を必要とするため、屋根材に加えて施工費も高くなるのがデメリットとして挙げられます。
また、重量があるため、耐震の面からみると不安が多いです。屋根が重くなってしまうと地震の揺れの影響を受けやすくなってしまい、最悪の場合倒壊してしまうおそれもあります。天然スレートを使った家を建てるときは、耐震の設計も慎重に考えるようにしましょう。
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